せっかく参加者の方々からベスト本を紹介していただいているので、参加者のイチ推し本をこの読書会のホームページでも紹介したいと思います。月に10冊以上読んだ中からのベスト本ということで、読み応え抜群の本ばかりです!
参加者の方から紹介いただいた本ではありますが、必ず私自身も一度読み、手元の書籍を参照しながら書いているので、内容の正確性についてもご心配なく。それでは見ていきましょう!
目次(「BOOK」データベースより)
疲労・肥満・不眠・不安・病気・老化―文明病から脱却し、本来の自分を取り戻せ!!進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法。 --このテキストは、tankobon_softcover版に関連付けられています。
最高の体調
今回紹介するのは、2020年7月の会の参加者に紹介いただいた本「最高の体調(クロスメディア・パブリッシング)です。「最高の〜」という、やや商業主義的なタイトルではありますが、内容自体は科学的なエビデンスに基づいているしっかりした一冊です。
筆者は「パレオな男」として知られるブロガーの鈴木祐さんという方。ブログに関しては、私はあまりきちんと読んだことがないのですが、狩猟採集民的なライフスタイルを実践し、それを啓蒙している方のようです。
この本全体を通してフォーカスしているのが「文明病」という考え方。その核心は、現代人の身体の不調の原因として「文明的な生活」と「人間の遺伝的性質」とのミスマッチを想定していることです。いわゆる進化医学(進化論をベースとした医学)に基づくアプローチと言えますが、現代人の健康の問題を極めてシンプルに説いた一冊だと言えるでしょう。学術的なエビデンスがしっかりしていることもあり、納得感は強いと思います。
ポイントは「炎症」と「不安」の克服
この本では、肉体・精神両方の健康について扱っています。その双方に対して上記の「進化医学」的な原因と対策を述べているわけですが、ポイントになるのが「炎症」と「不安」。本全体の構造としては、「炎症」が肉体側の問題、「不安」が精神側の問題の中心として据えられているイメージです(実際にはこれらをきれいに二分して書いているわけではないので、あくまでもイメージです)。
肉体的な不調の根底としてあげているのが、最近何かと話題の「腸内環境」についてです。腸内環境を良好な状態に保つことが重要であり、それが悪化すると身体中に炎症が発生し、体調が優れなくなってしまうというわけですね。腸内環境を良くしない限り身体の炎症が収まらないので、対症療法的なアプローチをしてもあまり効果が得られないとしています。
発酵食品や食物繊維が身体に良いという話は聞いたことがある方も多いでしょう。詳細については是非ご自身で読んでいただくのがよいと思いますが、腸内環境に対して良い食べ物・悪い食べ物について書かれているので、食生活を見直すきかっけになると思います。
また、精神的な体調についての分量が多いのもこの本の特徴だと思います。全体的に見ると、肉体よりも精神側の内容の記載が多いです。それだけ精神的に不調を感じている人が多いということなのかも知れません。人間関係や価値観の持ち方、身の回りの環境の整え方など進化論的な観点からさまざまな対策を書いてくれているので、メンタルの改善のためも参考になるでしょう
実践のために
紹介いただいた方もおっしゃっていましたが、とにかく実践しやすいさまざまな方法が書かれているのがこの本の特徴の1つだと思います。もちろん、この本に書かれていることすべてを一気に導入するのは無理ですが、全体的に日常生活の中で無理なく実践できる提案が多いので、少しづつでも実践していけば効果は出てくるのではないかと思います。たとえば、「週に1回公園を散歩する」とか「クラブやサークルなどのコミュニティに参加してみる」とか「発酵食品を食事に取り入れる」とかですね。
そんな感じで、中心的なテーマから具体的な実践までがシームレスに繋がっていて、本全体としての完成度はかなり高い一冊だと思います。もちろん、人によって内容の合う合わないはあるとは思いますが、自分の健康について考えるよいきっかけになる本なのは間違いないです。「進化医学」という今まではそこまでフォーカスされていなかった考え方に触れるという意味でも、オススメの一冊です!
コメント