せっかく参加者の方々からベスト本を紹介していただいているので、参加者のイチ推し本をこの読書会のホームページでも紹介したいと思います。月に10冊以上読んだ中からのベスト本ということで、読み応え抜群の本ばかりです!
参加者の方から紹介いただいた本ではありますが、必ず私自身も一度読み、手元の書籍を参照しながら書いているので、内容の正確性についてもご心配なく。それでは見ていきましょう!
内容(「BOOK」データベースより)
AppleやTwitterが巧妙にしかける依存のしくみに抗うには、もはや一時的なデジタル・デトックスじゃ足りない。これは生き方の問題で、僕らには新しい“哲学”が必要だ。すなわち、デジタル・ミニマリズム。スマートフォンとSNSから可処分時間/可処分精神を守り、情報の見逃しを怖れず、大切なことを大切にできる思考法=実践法。1600人超を対象に行なった集団実験から導き出されたメソッド―30日間の「デジタル片づけ」を実行し、あなたもデジタル・ミニマリストになろう。テック界の「こんまり」として話題のコンピューター科学者による、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー&Amazonベストブック。
デジタル・ミニマリスト
今回紹介するのは、2020年2月の会の参加者に紹介いただいた、カル・ニューポートという方の著作「デジタル・ミニマリスト - 本当に大切なことに集中する」(早川書房)。
この本を紹介いただいた時、紹介者の方は「こういう言い方は好きではないが」という前置きをしたうえで、「全ての現代人が読むべき本」と言っていました。私自身も読んだからわかりますが、確かにその言葉に偽りなしの内容だったと思います。
デジタル依存の問題
この本をざっくりとまとめると、SNSや動画配信サービス、ニュースサイトなどによるスマホ依存の構造を心理学的に論じたのち、そこから脱して自分が本当にやりたいことに集中するための具体的な方法を紹介しているという内容です。
ちょっとした時間が出来るとついスマホを取り出し、TwitterやInstagram、Youtube、Netflixなどを開いてしまい、想像以上に時間を浪費していた、という経験は現代人なら一度や二度ではないでしょう。
勉強したり、本を読んだり、体を動かしたり、人と一緒に話す時間を取りたいと思いながらも、ついついスマホに時間を吸い取られてしまっている人にはおすすめの一冊です。
テクノロジー依存の闇
現代人のスマホ依存は日本だけではなく世界中で問題になっており、本当にやりたいことに集中できなかったり、デジタルデバイスを使いすぎることによる疲労感を覚えている人は少なくありません。
実はそれもそのはずで、多くのSNSや動画配信サービスは、出来るだけ多くの人を依存させ、利用する時間を長くするように設計されているのです。クリエイティブで華々しい印象のあるシリコンバレー系IT企業ですが、人間の脳の構造や心理学を応用し、それを巧みに利用することで高い利益を上げているという側面があることには注意が必要でしょう。
個人的に印象に残ったのは「アプリや巧みにデザインされたサイトは、…私たちのポケットにスロットマシンを入れるために作られたものだった」というフレーズです。ちょっと時間が空いた時に、何となしにポケットからスマホを取り出してしまう自分を見透かされているようで、思わずドキッとしてしまいました。
デジタル依存からの脱却
このような巧みに設計されたデジタルデバイス依存から脱却するための戦略がこの本の肝になる部分です。具体的な内容はぜひご自身の目で読んで欲しいのですが、全体的に意志力に頼らないやり方を推奨しているのがポイント。
意志の力でこの手のアプリの利用を制限しようと試してみた方ならわかるとおり、これらのサービスはあまりにうまく設計されているため、精神論で対抗するのは限界があります。大事なのは、意志の力やモチベーションに頼らずにスマホ依存から抜け出すための方法です。
自分の行動の主導権をスマホに譲り渡すのではなく、あくまでも自分が本当にやりたいことや、やるべきことを後押しするためのテクノロジーとの付き合い方を教えてくれる一冊。
SNSやニュースサイトを見て疲れを感じていたり、最近スマホに触っている時間が長いと感じている人には特におすすめです!
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