[本紹介] 自分の小さな「箱」から脱出する方法

せっかく参加者の方々からベスト本を紹介していただいているので、参加者のイチ推し本をこの読書会のホームページでも紹介したいと思います。月に10冊以上読んだ中からのベスト本ということで、読み応え抜群の本ばかりです!

参加者の方から紹介いただいた本ではありますが、必ず私自身も一度読み、手元の書籍を参照しながら書いているので、内容の正確性についてもご心配なく。それでは見ていきましょう!

目次(「BOOK」データベースより)
第1部 「箱」という名の自己欺瞞の世界(「君には問題がある」/自分だけが気づいていないこと/何も見えない状態に陥るとき ほか)/第2部 人はどのようにして箱に入るか(箱に入っているのは、あなた一人じゃない/箱の中に押し戻されてしまうとき/あなたを箱の中に追い込む「自分への裏切り」 ほか)/第3部 箱からどのようにして出るか(「素直な自分」を引き出す/「どうすれば箱の中から出られるか」/人として、相手と接する ほか)

自分の小さな「箱」から脱出する方法

今回紹介するのは、2019年3月の会の参加者に紹介いただいた本「自分の小さな箱から脱出する方法」(大和書房)です。緑色の表紙とどことなくコミカルな挿絵が印象的な一冊で、人間関係のあり方について小説形式で論じています。この本を紹介してくれた方は、新卒の後輩によく薦めている本だと言っていました。

ほとんどの人は会社や学校、家庭などの何らかのコミュニティに属して生きていると思いますが、そういったコミュニティでの活動をしている以上、人間関係から無関係であるわけにはいきません。そういった人間関係のなかで問題が起こるのは日常茶飯事であり、人間関係に関してまったく問題をかかえていないという人はほとんどいないと思います。

僕はこの本を読んでいて、こういった人間関係の悩みを持つ人に対して何かしらの気づきを与えてくれるような本ではないかと思いました。紹介者の方も言っていましたが、内容としては一時期流行っていた「アドラー心理学」に近いところもあると思います。今回はそんな「自分の小さな箱から脱出する方法」という本を紹介したいと思います。

物事の見方を歪める「箱」の存在

この本で印象的だったのは、タイトルにもなっている「箱」という概念です。人間関係について論じた本は数あれど、「箱」という比喩を使いながらわかりやすく解説しているのがこの本の最大の特徴だと言えるでしょう。

では、その「箱」とはどういったものなのでしょうか? ものすごくわかりやすく言うと、それは「自分が正しく、自分以外が悪い」という物事の見方です。自分のことを棚に上げて他人や組織を批判する、というケースはどこにでもよく見られると思います。もしかしたら、自分自身もそういった行動をしてしまっていると心当たりがある方もいるかも知れません。

人間関係の中で、お互いに「自分が正しく、自分以外が悪い」という見方をしていたら、どのような結末になるかは明らかでしょう。お互いが、「自分は正しい」という見方をしている限り、両者が納得できる落とし所を見つけるのは難しいでしょうし、不毛な罵り合いに発展することは目に見えています。

「箱」の中にいる限り、他人は自分と同じ一人の人間であるという捉え方ができず、他人を「もの」として見てしまいがちです。だからこそ、健全な人間関係を構築するためには、一度この「箱」の外に出て、物事をありのままに受け止めることが重要だというわけです。

この本では、この「箱」の中に閉じこもってしまう経緯やその特徴、そしてなによりそこから脱出する方法までを論じています。人間関係に悩みがある方や、なんとなく周りとうまくいっていない方にはオススメの一冊です。

小説形式というスタイル

この本は小説形式である点も特徴的だと思います。主人公がとある企業の人々との対話を通して気づきを得ていくと言う構造自体は、アドラー心理学で有名な「嫌われる勇気」に近いところもあるのかも知れません。

出てくる人数が多くてやや覚えにくかったり、全体的に冗長な部分が多いのは玉に瑕ですが、小説形式であるがゆえのわかりやすさや感情移入のしやすさは間違いなくあります。同僚や親子、夫婦での人間関係のトラブルについてのエピソードが数多く出てくるわけですが、そのどれもが身近でイメージしやすいものばかりです。

「自分だったらどういう対応をしただろうか?」「自分が過去に同じような体験をしたときの対応は適切だったのだろうか?」ということを考えながら読んでみると、より得られるものが多いのではないかと思います。是非、自分の体験を振り返りながら読んでほしい一冊です。

人間関係に悩んでいる方も、悩んでいない方も、一度他人との付き合い方についてなんらかの気付きがある本だと思います。人生にはさまざまなイベントがありますが、自分の生活に行き詰まりを感じたり、新たな環境へ飛びこむときに読んでみると良い本なのかも知れません。

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